シャフト豆知識


第4話 シャフトの日本語は

一口にスチールシャフトと言うが、実際のところどんな材料が使われているのだろうか。
スチールは、日本語では鋼(ハガネ)。鋼とは、鉄に少量の炭素(1.7%以下)を含んだ合金で、一般に「炭素鋼」といい、いわゆるレギュラーシャフトに材料として使われる。
これとは別に、炭素のほか、クロム、モリブデン、ニッケル、バナジウム、アルミニウムなどの金属元素を単独または複数添加した合金を「特殊鋼」と呼んでいる。軽さと強さを同時に要求される超軽量スチールにはこれが使われる。特殊鋼のうちでも日新製鋼がゴルフ用に開発したSAE8655V材は、弾性限度や疲労限度が高く、衝撃にも強いため、管の肉厚を薄くして超軽量化が容易にはかれるスチールとしては最高級の材料だ。


第5話 シャフトの肉厚

すなわち、ウッドの44インチを基準にして、100グラム以上のレギュラー、100グラム以下の軽量の2種だ。こうした重量差は、シャフトの肉厚によって調整されている。レギュラーでは0.3~0.4ミリの肉厚があるのに対して、軽量では0.25ミリ程度に設定されている。だから、軽量タイプなどでは、特殊鋼と言われる合金鋼を材料に使い、強度を高めているのだ。特に力のある方にはレギュラー・ウエイトシャフトが、一般の方にはヘッドスピードを上げる軽量のシャフトが適しているとされている。


第6話 ステップはえらい

スチールシャフトには特有の「段」がついていることは御存知だろう。この段をステップと呼ぶが、これは何故あるのだろうか?
第一の理由は、経済性である。シャフトはグリップ側からヘッドにかけて徐々に細くなるが、段をつけずに自然に細くするテーパー方式だと加工面でコスト高になる。ところが段をつける方式なら格安に仕上がって大変経済的なのだ。二番目の理由は、ステップのつけ方によってシャフトのフレックスを硬くも柔らかくも調節できるし、これを利用してキックポイントの位置も自由に設定できることだ。すなわち、設計通りにフレックスもキックポイントも容易に製品化できるという訳。求められるシャフトの性能に合わせて、様々なステップ展開が自在にできるのだ。なお、俗に言われている段数が多いほど性能が高い?…は、信憑性に乏しいので、念の為。


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