シャフトの「お直し」 〜チップカット編(後編)〜

さて、前回前編で、チップカットをすることで予期せずシャフト特性を殺してしまう可能性もある、ということについてお話をしました。

今回は、チップカットの目的でも比較的一般的な「硬さの微調整」についてお話をしていきます。

●例えばSフレックスでは柔らかいけど、Xフレックスだと硬すぎる場合。
●FWにドライバーと同じシャフトを使用する場合の硬さ調整に使用する場合。
(FWはドライバーよりもヘッド重量が重く、同じシャフトを使用するとヘッド重量分だけしなり量が増えるため)

この様に、振動数の微調整に使用されることが多いチップカット。

振りやすいシャフトの硬さや振動数、黄金スペックは誰にでもあるもの。

でもそれは、ヘッドやシャフトの特性や長さや重さなど、その他条件が変化しないという条件下に限ってのこと。シャフトのモデルやタイプが変われば、振動数は変わって当然、と思ってください。

ここでようやく、「振動数」のお話。

「(固有)振動数」とは、ゴルフクラブのグリップ側を固定した状態で、ヘッド側を引っ張って手を離し、一分間に何往復するかの数字。「cpm」という単位で表します。数字が大きいほどそのシャフトは「硬い」と判断されます。手元部(グリップ側)の硬さに依存する要素が大きいですが、硬さを判断する目安の一つとして以前から重宝される数字です。

ゴルフショップに行けば簡単にその数値を計測することが出来て、しかも独自基準での計測ではないので比較的比べやすく、分かりやすい数値です。

でも気をつけて頂きたいのは、固定するのがグリップ側であるという測定器の特性上、「振動数」はクラブ全長でのしなり幅を必ずしも正確に表せるものではないということ。

スイングタイプやテンポの取り方によって変わりますが、先調子で250cpmのシャフトと、元調子で250cpmのシャフトだと、一般的には元調子の250cpmの方が「シャフトとしては硬い」と評価されます。

「Cシャフト(先調子)を使用していて、その振動数が250cpmだったから、ボクには250cpmがちょうど良い。最新モデルのDシャフト(元調子)は245cpmか。チップカットして250cpmで仕上げよう。」

この判断(振動数だけで合う合わないを決めること)は、非常に危険。

振動数に関して言えば、例えばアイアンセットの中で「ある特定の番手だけ振り心地が良くない」という場合には、セットで振動数をチェックしてあげることで、違和感の正体を見つけることがで出来るかもしれません。他の活用方法として、同じシャフト特性の傾向でメーカーを乗り換える場合の判断基準にする。似たようなシャフト特性同士の比較であれば、振動数での比較は分かりやすい判断基準になってくれます。試打をするにも購入するにも迷いが減るかもしれません。
この様に、数値は使い方を間違えないで頂きたいのです。

パンツの股下寸法もそう。振動数もそう。

自分の数値を知っていることは、決して間違っているわけではない。
けれどその数字は、ベストマッチを手に入れる為の一つの要素に過ぎないということ。

さてさて、数字だけでは表せないフィーリングや硬さのアジャストで活躍する、チップカット。専門家にしっかりご相談の上で、活用してみてください。
(※チップカットをされる場合、くれぐれも、メーカーが指定する許容量を超えるカットは行わないようにして下さい。シャフトの折れなど、大怪我に繋がる恐れがあります。)

では!




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