シャフト豆知識


第7話 ねじれとトルク

シャフトには「ねじれ」がはたらく。ねじれが大きいと、インパクト時にクラブフェースがスクウェアにボールに当たる確率が低いため、例えセンターでボールをヒットしても弾道の正確性を欠くことになる。そこで、ダウンスイング中にフェースの向きが変わらないだけのねじれ剛性が必要となる。
よく「トルク」という言葉が使われるがトルクとは物をねじろうとする力のこと。シャフトは外から加わるトルクに対してどれだけ抵抗力があるか、即ちねじり剛性が問題になる訳だ。カーボンシャフトの場合は、開発当初は、ねじり剛性の弱い物であったが繊維方向を傾斜させることにより、任意に作ることができるようになった。しかし、シャフトの軽量化、クラブヘッドの大形化と各プレーヤーのスイングのタイプにより最適な剛性は各メーカーとも研究中である。


第8話 しなりとキックポイント

シャフトの性能の中でも特に重要なキックポイントについて。スイング時のシャフトの最もしなりの大きい部分をキックポイントという。足でボールを蹴る時の膝に似た部分である。キックポイントは、位置の高低により球筋が大きく変わる。キックポイントをヘッド寄りの先調子にすると高い弾道に、元調子にすると低い弾道になる。これはボールを打ち出す角度がキックポイントの位置によって変化するためだ。先調子は飛距離を増すロングアイアン向き。元調子は正確さが要求されるショートアイアンに向いている。スチールシャフトなら、ステップ調整ができるので、キックポイントの設定が容易だ。


第9話 シャフト性能

ゴルフシャフトにはどんな性能が必要なのだろうか。ゴルフクラブはより遠くに、より正確にボールを飛ばす道具である。更にいえば、狙った所にボールを止めることが理想である。しかも、ゴルファーは一人ひとり体力やスイングのタイプに違いがあるので、シャフトが個々のゴルファーに最も適した性能であると同時に、そのセットの各クラブは、一定の規則的関係にある性能だということが大切になってくる。そのために、ゴルフシャフトとして、以下の8点の性能が必要とされる。


① フレックス:スイング中の「しなり」のこと。色々な種類の中から選べて、各フレックスごとに精度が高いこと。
② ねじり剛性:ダウンスイング中にフェースの向きが変わらないだけのねじり剛性が必要。
③ 重量:一般に軽いほど長いが、ある程度の剛性と強度を持たせる意味で適度な重量は必要だ。また重量のバラツキがないことは重要な要素だ。
④ ベンドポイント(キックポイント):先・中・元調子と種類がある。この違いによって飛球の弾道が変わるので、各調子毎の精度が高いこと。
⑤ バランスポイント(重心位置):バラツキがあるとスイングウエイトが狂うので、バラツかないことが必要となる。
⑥ 曲げ強さ:正確な打球時は勿論のこと、地面を叩いたり、スイング中に身体の一部に当てても曲がらない強さが必要。
⑦ 衝撃強さ:曲げ強さと同じ状態で折れないこと。
⑧ 耐蝕性:外面にサビが発生しないこと。


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