筆者、だらしないカラダつきをしており、着るもののサイズ感にはこだわっています。
とあるゴルフメディアに「ファッション師匠」がいるのですが、その「師匠」に教えを乞い、スラックスの丈だけに留まらず裾幅やジャケットの袖丈もこだわってお直しをしています。(「師匠」はシャツもお直しをして、SとMの間を作るみたいなこともやっているそう・・・・)
本体価格よりもお直しにかかるお金の方がかかることも多いです。
でも、着やすく、動きやすく、見た目も良い。だらしないカラダつきでも、身体に合ったサイズのものを身につけていると多少はスタイルも良く見えるもの。
吊るしのもので一番身体に合いそうなもの、上手く体型を隠せそうなものを身につけていたころと比べると、朝起きて袖を通した時のスイッチの入り方も良いような気がします。
朝イチ、その日の好プレーをイメージしてキャディバッグからドライバーを抜く瞬間。
絶好のライから得意な距離のセカンドショットに挑む、得意な番手のアイアンを抜く瞬間。
『手に取るクラブは、完璧に自分に合ったクラブである。』
そう思えるクラブが側にあるという安心感だけで、スイッチの入り方、ショットの結果が変わってくるような気がしてきます。
では、シャフトの「お直し」にはどんな種類があるのでしょう?
アイアンシャフトの交換で最も良く出てくるお直しメニューとして耳なじみのあるのは、『番手ずらし』ではないでしょうか。当ブログ人気コーナー「クラブセッティングブログ」にも度々登場するこのワード。
あくまで一般的なアイアンの場合ですが、5番アイアン=257gとして、そこから一番手大きくなるごとに7gずつヘッド重量が重くなります。
クラブの長さは0.5インチずつ短くなり、アイアンセットとしては同じバランスで揃ってきます。(重量誤差等の製品誤差をゼロとした場合)
このヘッド重量フローに合わせて、ほとんどのアイアンシャフトは5番アイアンと7番アイアンと、同じしなり幅になるように設計をされています。
いわゆる番手別設計。
257gのヘッドに装着した場合に適正なしなり量に設定したシャフトに、264g(+7g)のヘッドを装着すると、どうなるでしょうか?
シャフトにかかる負荷(ヘッド重量)が増す分だけ、しなり量が増えてきます。
逆の場合は、しなり量が減ります。
この特性を利用したのが、『番手ずらし』です。
Sフレックスではちょっと柔らかい。でも、Xフレックスでは硬すぎる。
間が欲しいときに、この番手ずらしを「お直し」として活用するのです。
ちなみに筆者、『Mサイズのフィット感と丈の長さが良い(ちょっと長いとベスト)、けどお腹が出ているからウェストだけはLの方がしっくりくる』というパンツが気に入った場合、Lサイズを購入して裾幅と裾丈をお直しします。MとLの良い所取りをします。
だって痩せるより手っ取り早いんですから。Xフレックスが振れるようになる筋力をつけるより、シャフトの硬さをどうにかしてしまった方が事は早い。
そんなイメージで使えるのがこの『番手ずらし』。
モデルや番手、シャフト特性によって変化はしますが、一番手ずらして生じる変化はおよそ1/3フレックスから1/2フレックス程度。
一番手の変化では、体感で誰もが感じる硬さの変化はないかもしれません。
ですが、僅かなつかまり感やスピン量の変化。これは目で見て分かる変化が生じる場合が多いです。
ではどの程度番手をずらす?
SフレックスとXフレックスで迷っている場合、Sフレックスを基準としたとして、振り心地やインパクトフィールを近づけたまま、つかまりやふけ上がりを抑える。この場合にはXフレックスを2番手ずらして頂く。振り心地にももう少ししっかり感が欲しいが、Xフレックスにしてしまうとちょっとつかまりが悪い、ボールが止まりづらい。こんな症状の場合にはXフレックスを1番手ずらして頂く。
こんな使い方を目安の一つとして覚えておいて頂くとよろしいかと思います。
クラブ長さやバランスなどでも微調整は可能ですが、「お直し」メニューの一つとして、リシャフトの際には信頼できるフィッターやクラフトマンと相談の上、番手ずらしをしてみるのも、「ベストマッチ」を探す一つの手段になるかもしれません。
この他にも、チップカットもシャフトで出来る「お直し」メニューです。
その前に、市販品でも余分なウェイトを取り除いたり、シャフトの挿入アングルを調整したり。ロフト・ライ調整も含めると、リシャフトでなくても出来る「お直し」は少なくありません。長さ調整やグリップ交換、交換時の下巻き調整なども意外と効果的です。
(余談ですが、筆者はバックラインありのグリップを使用すると、どの向きに調整してもスライスしか出なくなります。グリップって、そのぐらいデリケートなものです。)
せっかくお金と時間をかけて作るのですから、ただ差し替えるだけではつまらないですよね!?
引き続き、読者の皆さまのベストマッチを探すお手伝いが出来ればと思います。
では!!
日本シャフトHP:https://nipponshaft.co.jp/