前回、『N.S.PRO Regio Formula』シリーズは『N.S.PRO MODUS3』シリーズをベースに開発されたウッド用カーボンシャフトだとお話をさせて頂きました。
当ブログ読者の方であれば、ウッドにも違和感なく通じる機能を持つ『N.S.PRO MODUS3』があることをご存知ですよね?
「高弾道・低スピン」のシャフト——『N.S.PRO MODUS3 TOUR130』です。
ドライバーの飛ばし三原則は、初速・打出し角・スピン量。
理想的な弾道を実現する打出し角とスピン量は、様々なゴルフメディアでも語られています。
ですが、ハイヘッドスピーダーとローヘッドスピーダーとでその数値が重なることはないでしょう。
その人が持つ「スピード」に応じた最適な打出し角とスピン量があります。
ですので、敢えて理想的な数値には触れないでおきますね。
飛ばす為に一番必要なことは「スピードアップ」ではないでしょうか。
その次に、「高弾道・低スピン」が飛ばし要素として重要になります。
『N.S.PRO Regio Formula M』は、この3つを容易に叶えてくれるシャフト特性と素材を持っています。
シャフト中間部分の剛性を強め(硬くして)、シャフト先端部をナチュラルにしならせるシャフト特性は、当時『N.S.PRO MODUS3 TOUR130』に対しての開発リクエストを実現する為に採用したシャフト特性と合致するものでした。
高弾道・低スピンを生み出すシャフト特性のノウハウはありますから、あとはこれをウッド用カーボンシャフトとして仕上げたときに違和感なく仕上げ、飛距離アップにつなげてあげるだけ。
初代『N.S.PRO Regio Formula』にも採用した高弾性シートを、なんと『N.S.PRO Regio Formula M』では中央部に二重に配備。さらに、グリップ部にしっかり感を持たせるための7軸組布をドッキング。
カーボンシャフトは通常、1方向に並ぶ繊維を樹脂で固めたもの(プリプレグ)を幾層にも巻き付けることで形成されます。
スイング中にシャフトのしなり方向、つぶれ方向に加わるエネルギーに呼応し、時にそれを受け止め、時にそれを倍のエネルギーに変えて跳ね返す。そのような役割を担うように緻密な計算のもとで、幾層にも幾方向にも重ねながら均一に巻いていき、シャフトの形にしていきます。
7軸は、文字通り7方向にカーボン繊維を配備したカーボンシート。
7軸組布を使用することで、通常のカーボンシートを重ねるよりも均一性が遥かに向上すると同時に、軽量化にも一役買ってくれるのです。
高弾性シートは、引っ張り強度の高い(強い)シャフト。通常のシートよりも少量でねじれ方向(トルク)やしなり方向(たわみ)に強度を持たせることが出来、シャフトの均一性を損なうことなく強度や鋭いしなり戻りを付与しながら、軽量化に繋げられます。
この様な高機能素材を使用するのは大変便利です。
その代わり、当然ですがコストはかかります。
でも、そんなことは関係ない。
メイドインジャパンの最高品質。
これを実現する為に、コスト度外視で必要な素材を必要なだけ配置する。
これが、『N.S.PRO Regio Formula』シリーズの「ものづくり」。
ナチュラルにしなるシャフト先端部が、高打出しを実現。しっかり硬く仕上げたシャフト中間部でシャフトの暴れや、インパクトゾーンでフェースが上を向きすぎる(ロフトが増える)現象を軽減。高弾道・低スピンのシャフト特性です。これに、高弾性シートや7軸組布の相乗効果で、シャープでスピーディーな加速感を実現。
爽快感のあるウッド用カーボンシャフト『N.S.PRO Regio Formula M』の完成。
『N.S.PRO』の中では比較的ピーキーな挙動のこのシリーズ。
もちろん「扱いやすさ」は忘れません。先端部にCSR(コアシェルラバー)を採用して、程よく扱いやすい食いつきの良さも持たせています。
アイアンに『N.S.PRO MODUS3 TOUR130』をお使いの方。
オートマチックに高弾道・低スピンのビッグボールで飛ばしていきたい方。
長尺にもぴったりです。
ハイスピンヒッターの当ブログ筆者も愛用の『N.S.PRO Regio Formula M』、是非お試し下さい。
第三弾は、『N.S.PRO MODUS3 TOUR105/SYSTEM3 TOUR125』にマッチする『N.S.PRO Regio Formula MB』。
そして、第四弾は初代『N.S.PRO Regio Formula』の改良版、『N.S.PRO Regio Formula B』。
引き続きそれぞれの誕生秘話をご紹介していきます。お楽しみに!
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