日本シャフト社員のこだわりクラブセッティング⑤

ゴルフ(シャフト)の専門家である以前に、単なるゴルフ大好き人間が真剣に選びぬいた14本のパートナーたち。

第5弾は、当ブログにも登場経験のある、女子ツアー担当者のクラブセッティングです。
今回ご紹介する中では最も競技経験の豊富な彼のセッティングは、競技志向のゴルファーの参考になるポイントも多いのではないでしょうか。

プロフィール
R.I.
女子ツアーレップ・営業担当
大手ゴルフ量販店、総合ゴルフメーカーを経て、2012年に日本シャフト(株)入社。
ゴルフメーカーでのツアーサポート経験から、クラブヘッドへの造詣も深く、ヘッドの機能とスイング特性の両方を最大限に生かすシャフトフィッティングには定評がある。女子ツアーレップの傍らで営業活動も行い、土日は子育てに邁進。どこにゴルフをする時間があるの!?
そんな過酷な条件下でも、競技ゴルファーとして、スコアやゴルフギアへの探究心が旺盛。その証に、原稿提出が一番乗りだったにも関わらず、チョコチョコとクラブセッティングが変わるのでなかなかアップできない。高校時代は某有名ゴルフ部に籍を置き、セカンドショットはどこから打つことになろうが常に最後に打つことを美とする。日本シャフトイチの競技成績であると同時に、飛距離も一番。でも、いつもアイアンの飛びすぎに悩む声しか聞いていないかも・・・。

シャフトセッティング

1W Regio Formula MB X75
4WRegio Formula MB X75
4UT = N.S.PRO HYBRID110(X)
5UT = N.S.PRO HYBRID110(X)
アイアン(#5~PW) N.S.PRO MODUS3 SYSTEM3 TOUR125(S)
ウェッジ(50/54/58)N.S.PRO MODUS3 SYSTEM3 TOUR125(X)

クラブセッティングのこだわりポイント

機能面では安心感と実用性。あらゆる状況に対応できる万能な武器が理想です。
ルックス面ではゴルフ場についてキャディバッグを置き場に下した瞬間に「どうだ!」と言わんばかりの上手そうなセッティングを目指し、焼酎ロックを片手に夜な夜なキャディバッグに入れるクラブ配置やヘッドカバー越し見えるアイアンの無造作感にも拘り抜いています。

ドライバーのこだわりポイント

基本的には思いつきで何でも試すタイプです。ロフトを立ててインパクトしたいドローヒッターなので、エースドライバーはロフト10.5°/45inchの仕様でかれこれ5年使用しています。ロフトは可変式ドライバーの利点を活かして、夏場はロフト-1.0ポジションに合わせ、冬場はノーマルポジジョンにセッティングしています。良いと聞けば他のクラブも試してはみますが、つかまらないヘッドが苦手で、少しでもフェースで「滑る」感覚が出ると怖くなってやめてしまう臆病者です・・・。最近手に入れたドライバーがエースクラブに近い感覚があり、打ち比べて飛んだら変えちゃうかも?しれません。
力が入った時のチーピンが怖くて、元々はN.S.PRO Regio Formula Mを使用していました。が、競技に出るようになって、安定感の高いN.S.PRO Regio Formula MBに切り替えました。深重心のヘッド特性のドライバーとのマッチングも、この方が良いような気がします。

アイアンのこだわりポイント

5I=27°からSWまで、4°ピッチで合わせています。ドライバー同様にロフトを立てて入れたいので、アイアンを選ぶ基準は見た目よりもソール。突っ掛るイメージのある(角の立ったような)リーディングエッジのアイアンが大嫌いです。
5I=ソール角3°前後からSW=ソール角12°まで絶対に逆転せず、フローしている事がヘッド選びの条件です。昨年まではN.S.PRO MODUS³ SYSTEM3 TOUR125(X)を使用してきましたが、今年(S)にスイッチしました。40歳を間もなく迎える年齢と左ひじの故障が主な要因です。
また、ロングアイアンとミドルアイアン以下で、モデル違いのアイアンを組み合わせて使用しています。いわゆるコンボセッティングで、しかもショートアイアンはリーディングエッジを削っています。ここがクラブセッティングとしてのこだわりです。

ウェッジのこだわりポイント

15年前ほど前、当時流行っていたウェッジを手に入れ使用していましたが、アプローチでは毎回チャックリ、バンカーではホームラン、グリーンを外せば必ずボギー・・・すっかり自信を失ってイップスになりかけていた時、ウェッジフィッティングではプロからも絶大な信頼を得ているクラブデザイナーM氏との運命的な出会いを果たしました。それ以来、「巨匠」に削ってもらったウェッジを毎年1セットのスパンで交換し、使い続けています。
形状とソール角・形状は全て「巨匠」にお任せ。絶対に譲れないのは、『ヘッド重量297g/34.75inch/D0』という私の神ってるスペックです。

解説

競技出場経験豊富なアスリートゴルファーならではの、王道のクラブセッティング。
ウッドを1W・4Wの2本体制にして、ウェッジの本数を増やしているのも、最近のクラブセッティングで定番化しつつあるオーソドックスなセッティング例。本人はアイアンシャフトのフレックス変更の理由を『40歳を間もなく迎える年齢と左ひじの故障が主な要因。』と語りますが、それ以外にもアイアンの飛びすぎに悩んで試行錯誤を続けていることを、私は知っています・・・フフフ。 飛ばしたくないアイアンシャフトのフレックスを、なぜ柔らかくするのでしょうか?

答えは簡単。スピン量を増やすことで前に進む力を緩めてあげることで、若干飛距離を落とす効果があるのです。同時にコントロール性能も向上します。特に、今回の様に「クラブ(ロフト)を立てて入れたいドローヒッター」の場合、最近のクラブヘッドではスピン不足になってしまう可能性も高まります。適正スピンに補正してあげることで、コントロール性が向上し、思った飛距離を打つことの出来るクラブセッティングが出来上がるのです。もちろん、しなり量が増えますので、シャフトとしては楽に、カラダにもやさしい方向になります。
「スピン量の管理」、こんな視点でフレックス選びをしてあげるのもまた一つ面白いと思います。是非参考にしてみて下さい。

日本シャフトHP:https://nipponshaft.co.jp/

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