「互いに反対の関係にある。一致しない。対立している。」
「相反(そうはん)」という言葉を辞書で調べると、こう出てきます。
日本シャフトが誇る60g台から130gまでの豊富なラインナップ。
モデルによって使用素材は異なるものの、大まかには「鉄」で出来ています。
単一素材で形成されるスチールシャフト。
どのようにして重量調整をするのでしょうか?
シャフトの厚みを変化させるすることで、重量を軽くしたり(薄肉化)、重くしたり(肉厚化)しています。
薄肉化することで軽さは出せますが、一般的にはシャフトが潰れやすく、しなり量が増えてきます。
軽くなるほど、シャフトはしなりやすくなる。重くなるほど、シャフトはしなりづらくなる。
これが、今までのスチールシャフトの常識。軽さと硬さは比例するもの(軽くて硬いシャフトは作れないというのが今までの常識)でした。これには、メリットもあればデメリットもあります。
メリットは、N.S.PRO Zelosシリーズのように、軽くてしなる、飛ばせるスチールシャフトが作れること。(ただし強度を保つ技術が必要です。これについても後日記事にしますね。)
デメリットは、ハイヘッドスピーダーが使おうとすると、早くは振れるけれど、シャフトが暴れてしまう。トウダウンが起きる。スピン量過多になって、かえって飛ばない。スチールシャフトを使用するメリットがない!?
かといって、ヘッドスピードの速いプロゴルファーやハードヒッターには100g以上の重いスチールシャフトしか選択肢がないままで良いのでしょうか?
ウッド・ハイブリッドはどんどん軽くなっているのに、アイアン・ウェッジはいつまでも重いまま・・・。
クラブの重量フローが崩れてしまいますよね?
それに、ヘッドスピードが速くても、ある「使い方」をすることでシャフトを軽くするメリットを倍増させることが出来るんです。
なんでしょう?
軽さと、パワーに応える「強さ」という相反する要素を兼ね備え、国内男子ツアーよりもむしろUSPGAツアーで火がついた『N.S.PRO MODUS3 TOUR105』。
この「使い方」をご紹介します。
ゴルフクラブの振りやすさを表す指標の1つに「スイングウェイト(バランス)」があります。
C6だとヘッドが軽く感じる、D5だとヘッドが重く感じる、というアレです。
クラブ長さを変化させることで、スイングウェイトが変化します。長くすればスイングウェイトは重くなり、短くすると軽くなります。
ヘッド重量は変わらないのに感じる重さは変化する・・・。なんとも不思議な現象ですね。
これを応用するのです。
シャフトを軽量化すると同時に、クラブを長く組み上げます。
今までのクラブと比べると2〜3ポイントほどスイングウェイトが重くなることもあります。
振ったときに感じる重さ感は今までと変わらず、でも総重量は軽くなる。
軽くなることでヘッドスピードが上がる。
ヘッドスピードが上がると打出し角が高くなる。キャリーも出せる。
例えば、ドライバーで10ヤード飛距離が伸びたとして、これに加えてアイアンで10ヤード飛ばせるようになると、ドライバーで20ヤード飛距離が伸びたのと同じ。
今まで7番アイアンで打っていたセカンドショットを、単純には9番アイアンで打つことが出来るようになるのです。
こんな夢のような話、パフォーマンス優先の彼らが食い付かないはずがないですよね!
そう。『N.S.PRO MODUS3 TOUR105』は、強者揃いのUSPGAツアーから火がついたモデルなんです。
ただ・・・彼らものすごくヘッドスピードが速い。
ドライバーでキャリー300ヤードを普通に飛ばしてくる彼らのパワーに対応するには、それを受け止めるだけのシャフトの「強さ」が必要です。
今までの軽量スチールシャフトでは暴れ過ぎてしまう。
でも、スチールシャフトって、軽くなればなるほどしなりが増える。
軽くしてもしなりを増やしすぎない。
こんな相反する機能を持たせることが、『N.S.PRO MODUS3 TOUR105』に課せられたミッションでした。
『軽硬(カルカタ)』
ドライバーシャフトでは定着したこの言葉ですが、この考え方、エッセンスをアイアンシャフトーースチールシャフトにも持ち込んだのが、『N.S.PRO MODUS3 TOUR105』です。
コードネームは『ST(Strong Trajectory=強弾道)』。
スチールシャフトに硬さを持たせようとすれば、必然的に重くなる。
でもそれでは今までのスチールシャフトと変わらない・・・。
じゃあどうする?
MSAテクノロジーの出番です。
シャフトの外径・肉厚を自在にコントロールするこの技術。
この技術によって、軽さと強靭さを兼ね備えた「軽硬」のスチールシャフトが誕生しました。
しなり特性としては、『N.S.PRO MODUS3 SYSTEM3 TOUR125』の系統を受けついだ、トラディショナルな手元調子。
ハイヘッドスピーダーが打ってもスピン量が増えすぎることのないしっかりとしたシャフトフィールは、まさに「軽硬」シャフトそのもの。
上下/左右の無駄なスピンを抑え、直線的に、ダイナミックにピンを刺していくようなショットをイメージ出来るシャフトに仕上がりました。
アイアンの飛距離が伸びれば、ドライバーの飛距離が伸びるようになるのと意味としては同義です。
今までミドルアイアンで打っていたセカンドショットを、ショートアイアンで打つことが出来る可能性も高まってきます。
年々伸びてくる総ヤーデージ。
ドライバーヘッドの重心位置の変化に伴う、直線的なコース攻略。
時代の変化に伴う戦略の変化に対応した『N.S.PRO MODUS3 TOUR105』。
是非一度お試し下さい!
日本シャフトHP:https://nipponshaft.co.jp/