ゴルフ(シャフト)の専門家である以前に、単なるゴルフ大好き人間が真剣に選びぬいた14本のパートナーたち。
プロゴルファー、ティーチングプロ、ゴルフメディア関係者など、ゴルフの専門家がマジメに選んだ「愛すべき14本」。
本当にゴルフが大好きなプロ・有識者がマジメに“自腹買い”したゴルフクラブたち。
果たしてどんなセッティングなのでしょうか!
第1弾は、「QP」の愛称で雑誌やメディアでお馴染みの関 雅史プロ。
ジャパンゴルフフェアでもトークショーにご出演頂く等、日本シャフトのことを最も良く知り尽くしている方の一人かもしれません。
果たして、そんな「QPさん」が選び抜いた14本はどんなセッティングになっているのでしょうか。
プロフィール
関「QP」雅史
PGA公認A級ティーチングプロ・ゴルフフィールズ主宰。
ティーチングプロとクラブフィッターという二足のわらじを履きこなす、天才的な明るさの持ち主。ただ明るいだけでなく、ゴルフを語る瞬間、ゴルフクラブを語る瞬間の眼差しは、熱意あふれる「プロ」そのもの。
「クラブとスウィングのシンクロ(同調)」がQPさんの柱。その卓越したレッスンとギアの知識で、述べ1万人以上のゴルファーにレッスンを通じてゴルフの楽しさを伝え、3千人以上に及ぶクラブフィッティングを通じてゴルファーを笑顔にしてきた。ゴルフメディアへ度々登場し、分かりやすいギア解説には定評がある。生粋のドローヒッターであるが、フェードボールの習得を目指して日々鍛錬を続ける。結果、左ひじを故障中・・・。そして、本当にしょっちゅうクラブを買ってくる。
シャフトセッティング
1W = N.S.PRO Regio Formula M S75
3W = N.S.PRO Regio Formula M S75
5W = N.S.PRO Regio Formula B X75
3UT = N.S.PRO HYBRID100(X)
4UT = N.S.PRO HYBRID110(X)
5UT = N.S.PRO HYBRID110(X)
アイアン(#6~PW) = N.S.PRO MODUS3 TOUR130(S) 1番手硬め番手ずらし
ウェッジ(52) = N.S.PRO MODUS3 TOUR130(S) 1番手硬め番手ずらし
ウェッジ(58) = N.S.PRO MODUS3 WEDGE125
クラブセッティングのこだわりポイント
ヘッド形状としてはウッドからアイアンまでFPの小さいもの(グースネック)を選ぶのが基本です。元々はクラブが下から入ってくる傾向のドローヒッターですが、競技(ティーチングプロ選手権など)出場を考えると、ケガが大きくミスが怖い・・・。現在はフェード打ちの練習をしている段階ですが、スイング挙動がどうしても極端になり過ぎてしまって、クラブが上から入り過ぎてしまうことがあります。そのようなミスをした時でも上手くカバーしてくれるようなヘッド特性のクラブで揃えています。こだわり、というわけではないですが、最近5番アイアンを抜いてUTに変えました。ボールが良く上がる分曲がり幅が大きくなるリスクはありますが、それでもやはりボールを拾いやすい、上がりやすいメリットには叶いません。
シャフトも、上からクラブが入り過ぎてしまった時にでも上手くボールを拾ってくれるようなシャフト特性を選択するようにしています。
ドライバーのこだわりポイント
こだわりは、無理を言ってマットブラックに塗装してもらったこの色!!(契約プロにも対応していないとか・・・。)ではなくて・・・クラブが上から入ってもしっかりボールをつかまえてくれるヘッドを選んでいます。具体的には、重心角が大きくて、重心深度の深いもの。
今出るスイングのミスの傾向としては、やはりクラブが上から入りすぎてしまうこと。そうしたミスが出た時に怪我が最小限にとどまってくれるようなヘッドを好んで使用しています。
元々はどちらかというと真逆で、M1とかSLDR(いずれもテーラーメイド社製)に代表されるような、重心角が小さくて重心深度も浅いものを好んで使用していましたが、今はまったく真逆の特性のものを選んでいます。
シャフトは、手元剛性の高い(手元がしっかりしている)ものが好みで、発売当初から『N.S.PRO Regio Formula M』を使用し続けています。その時のゴルフの調子やヘッド特性・ヘッドスペックに応じて、X65・S75・X75を使い分けています。でも最近は、X75はもうしんどいかなぁ。
ちなみに、スイング修正をしている経過で、ヘッドによっては今まで苦手だった『N.S.PRO Regio Formula B』がハマる時もあります。選ぶヘッドの傾向が変化してきているから、シャフトの好みも変わってきているんだなぁ・・・っと、そんなことを考えています。
アイアンのこだわりポイント
ヘッドは絶対に「クセのないモデル」を選びます。これは自分のゴルフのためでもありますが、どちらかというとフィッターとしての仕事を優先してのこと。たくさんのクラブを試打していても、やはり基準となるのはマイクラブのフィーリング。機能面であまりにも特徴を持たせたクラブを使用していると、そのクセがフィーリングとして残ってしまい、基準がずれてしまう。フラットな評価をする為に、アイアンはその時々でトレンドとなっているモデルの中で、最も中庸的なモデルを選択して使用しています。
クラブセッティングにおいてのこだわりですが、長過ぎるのと、バランスが軽いのはダメ。長さは5番アイアンで38.0インチが基準で、バランスの数値そのものにはあまりこだわりはありません。ヘッドを感じられることが重要で、最終的にはD3前後に落ち着くことが多いです。
シャフトは『N.S.PRO MODUS3 TOUR130』です。ドライバーと同じタイミングで振ることの出来るこのシャフトは、試作段階から気に入って長く愛用させてもらっています。シャフト先端の挙動が秀逸で、クラブが刺さらない(抜けが良い)点が気に入っています。
ウェッジのこだわりポイント
ウェッジこそ、絶対にグースネックでないと使えません。
今使用しているM425ウェッジ(マスダゴルフ)に出会うまでは本当に苦労しました。ウェッジでも、ミスの傾向は上からぶつけ過ぎること。ストレートネックのウェッジだと、こうしたクラブの入り方をした場合に上手くボールを拾ってくれない(クラブが刺さってしまう)ので、ウェッジはなにがなんでもこの愛器を手放さないでしょう!!
シャフトは、『N.S.PRO MODUS3 WEDGE125』です。これの前身にあたる『N.S.PRO WV』から気に入って使い続けていますが、程よくシャフト先端がしなってくれるシャフト挙動で、クラブが上から入った時にでもしっかりとボールを拾ってくれる点がお気に入りポイントです。
解説
もはや解説不要のセッティング。競技出場もするティーチングプロとしてはもちろん、フィッターとしても、スイング特性をきちんと理解した上で、マッチしたヘッドとシャフトを組み合わせてセッティングをしています。どちらかというと、スイング変更に伴ってヘッドの傾向は変わってきていますが、シャフトの傾向は今のところ変わってきていないようです。ヘッドとシャフトを同時に変えてしまうと、万が一エラーが起きた場合にどこをどうやって直していけばいいのか分からなくなってしまうことがあります。スイングの軌道は変えられても、なかなか自身のテンポやタイミングは変わらないもの。タイミングに最も影響するシャフトを固定して、その上で目指す姿にマッチするヘッドを選択。そのヘッド特性と照らし合わせて、最終的にシャフトもチェックする、というのがプロセスとしては近道かと思います。
QPプロのセッティングでもう一つ、特筆するべき点があります。
全てのクラブに一貫して、ミスをした時にカバーしてくれる特性のヘッドを選択しているところです。QPプロだけでなく、プロゴルファーや上級者は、自分のミスの傾向をきちんと把握しています。その上で、ミスしたときにでも被害を最小限に食い止めてくれるようなクラブセッティングを作り上げていきます。
アマチュアはどうしても、ナイスショット時のきれいな弾道を基準にクラブを選択しがち。ご自身のミスの傾向をしっかりと分析し、プレッシャーがかかる場面、ミスをした場面、そんな時に助けてくれるようなクラブを選択することでクラブに対しての信頼関係が芽生え、より気持ち良く振り抜くことの出来るクラブへと育っていくのではないでしょうか。
日本シャフトHP:https://nipponshaft.co.jp/